認知症の初期症状チェック:歩き方の変化に注意!専門家が教える早期発見のポイント
認知症の初期症状は、記憶力の低下だけではありません。
日常生活のちょっとした変化、特に歩き方や握力の変化が重要なサインかもしれないことが最新の研究で明らかになりました。
オーストラリアのモナシュ大学による大規模調査では、歩行速度の低下と握力の減少という2つの身体変化が認知症の初期症状として注目されています。
今回は、これらのサインをどう見つけ、どう対応すればよいのかご紹介します。
認知症の初期症状チェック:家庭でできる簡単な観察法
認知症の初期症状を早期に発見するためには、日常生活での動作の変化に注意を払うことが大切です。
モナシュ大学の研究チームが「Alzheimer’s & Dementia」誌に発表した研究によると、歩行速度の低下と握力の減少が同時に起こると、認知症リスクが79%、認知機能低下リスクが43%増加することが判明しました。
- 以前より歩くのが遅くなっていないか
- つまずきやすくなっていないか
- 物をしっかり握れなくなっていないか(瓶のふたが開けにくいなど)
- 歩き方のリズムやバランスに変化はないか
これらの変化が見られたら、単なる加齢現象ではなく、認知症の初期症状の可能性も考慮する必要があります。
歩き方の変化から見る認知症の初期症状:最新研究の驚きの発見
この研究で特に注目すべきは、歩き方の変化と認知症の関連性です。
70歳以上の健康な成人約18,000人を5年間追跡調査した結果、歩行速度の低下と握力の減少が同時に見られた場合、認知症リスクが89%も上昇するという驚くべき結果が出ています。
- 歩幅が小さくなる
- 足の上げ方が低くなる
- 歩行のリズムが不規則になる
- 方向転換がスムーズでなくなる
これらの変化は、脳の特定の部位(特に前頭葉や小脳)の機能低下と関連している可能性があります。
認知症の初期症状と歩行変化:どうすれば関連性を見極められるか
歩き方の変化がすべて認知症の初期症状を示すわけではありません。老年医学専門医で認知症の専門家であるエリザベス・ランズバーグ医師は次のように説明しています。
「歩行速度の変化だけでは、必ずしも認知症と関連しているとは限りません。特定の薬剤やその組み合わせ、または長期間の入院が原因かもしれません。関節炎や神経機能障害などの条件が原因で歩行速度が遅くなる可能性もあります。」
- 他の原因(怪我や特定の疾患)がないか確認する
- 複数の身体機能の変化(歩行と握力など)が同時に起きているか
- 日常生活の他の面での変化(物忘れ、判断力の低下など)も見られるか
これらを総合的に判断することが大切です。
認知症の初期症状チェックリスト:歩き方以外に注目すべきこと
歩き方の変化だけでなく、認知症の初期症状を示す可能性のある他のサインも知っておくと良いでしょう。
- 記憶力の変化:新しい情報を覚えられない、最近の出来事を忘れる
- 言語能力の変化:言葉が出てこない、会話についていけない
- 判断力の低下:お金の管理がうまくできない、不適切な服装をする
- 空間認識の問題:慣れた道で迷う、距離感がつかめない
- 物事への関心低下:趣味や活動への興味を失う
- 性格の変化:不安、混乱、疑い深さ、引きこもりなど
これらの症状と歩き方の変化が組み合わさっている場合は、専門医への相談を検討しましょう。
認知症の初期症状に気づいたらどうすればいい?具体的な対応策
認知症の初期症状に気づいたら、次のステップが重要です:
- 専門医への相談:神経内科医や老年精神科医など、認知症の診断に詳しい専門医を受診しましょう
- 総合的な検査:認知機能検査や画像診断など、適切な検査を受けましょう
- 早期介入プログラム:認知症と診断された場合、早期からのリハビリや治療が効果的です
- 生活習慣の見直し:運動、食事、知的活動、社会的交流など、脳の健康を維持する生活習慣を整えましょう
- 家族のサポート体制づくり:家族間での情報共有や役割分担を明確にしましょう
研究主任著者であるスザンヌ・オーチャード博士は「現在、認知症の完全な治療法はありませんが、早期に発見できれば、その進行を遅らせ症状を管理するための戦略を実施することができます」と述べています。
認知症の初期症状を予防するには?日常でできる実践法
認知症の初期症状の予防や進行を遅らせるために、日常生活で実践できることがあります:
- 定期的な運動:特に有酸素運動とバランストレーニングが効果的
- 握力トレーニング:簡単な握力器や日常生活での意識的な使用
- 脳トレーニング:新しいことを学ぶ、パズルを解く、楽器を演奏するなど
- バランスの良い食事:特に地中海式食事法(魚、オリーブオイル、野菜、果物など)
- 十分な睡眠と休息:質の良い睡眠は脳の修復に不可欠
- 社会的交流の維持:人との交流は脳の活性化に重要
- ストレス管理:瞑想やリラクゼーション法を取り入れる
これらの習慣は、認知機能の維持だけでなく、歩行能力や握力の維持にも役立ちます。
認知症の初期症状と歩き方:医療機関でのチェック方法
医療機関では、歩き方の変化と認知症の関連性をどのように評価しているのでしょうか。
- 歩行速度テスト:一定の距離を歩くのにかかる時間を測定
- TUGテスト(Timed Up and Go):椅子から立ち上がり、歩いて戻ってくる時間を測定
- 握力測定:専用の機器で握力を測定
- デュアルタスク評価:歩きながら会話や計算などの課題を行う能力を評価
オーチャード博士によると、定期的な健康診断でこれらのテストを実施することで、認知症の初期症状をより早期に発見できる可能性があるとのことです。
知識は力です。あなたや家族の変化に早く気づくほど、効果的な対策を講じることができます。身体の変化に注意を払い、気になることがあれば躊躇せず専門家に相談しましょう。
参考文献